top of page


Untitled
2021
Wooden canvas frame, beeswax
Frame size: 1940 x 1620 mm​

 

I scratched the surfaces of the canvas frame, cut a part of the canvas frames itself, and poured paraffin wax over.

After the wax hardened, the surfaces were flattened again.

Wood shavings from scratching the surface of the canvas frame were placed at its feet.

This work was exhibited at “Embraced by the soils” at OF, Okayama.

 

渋谷の下り坂を歩いているときに「地に愛される」という言葉が頭に浮かんだ. 

美しい絵を描いている人の展示を見たあとだった. 

あの人は美術と一体になっているのだろうか. 

 

夏にひっそりと実家に帰っていた. 

実家の中には5年前から黒猫がおり, 最近は野良猫が勝手口にやってくるようになった. 

二匹がドアの網戸越しに鼻をくっつけているのを見た. 

 

滞在中, 1日たりとも晴れる日はなかった. 

新幹線が止まり, 滞在期間が1日延びた. 

またこの土地が狂わされるのかと思うとスマホから流れてくる情報から目が離せなかった. 

帰りの新幹線で熱海駅を通過したら土砂崩れをした地域があった. 

1秒にも満たなかったと思う. 雨に濡れて土がてらてらしていた. 

そこにはどんな生活があったのだろうか. 

家についてもまだこの土地に馴染んでいる感じがしない. 

家の向かいにある小さな神社に何回お参りに行ったって, 馴染むことはないと思う. 

いつもいつも思う. 地に対する感情は歯痒さの方が多い. 

bottom of page